五箇山で若き杜氏が醸す、山の酒。
創業明治13年、合掌造りで知られる五箇山の小さな酒蔵、三笑楽。
三笑楽という名は、中国の画題「虎渓三笑」から来ており、「酒は笑い、楽しく呑んでいただきたい」という思いから名付けられているという。酒米は南砺産の五百万石を中心に使用し、ブナ原生林の湧水を仕込み水とし、昔から守り継がれきた山廃仕込みで醸す。
「酒づくりは、子育てみたいなものです」と語るのは、30代の若き杜氏、山崎英博氏。農大の醸造科を出て修行した後、ふるさとに帰って杜氏を継ぎ、こだわりの酒づくりをする期待のホープだ。彼が目指す酒は、山菜や岩魚などの個性の強い山の幸にまけない、山の酒。だから山笑楽は、五箇山の空気の中で山の幸と共に味わうと抜群に旨い。究極は、囲炉裏で焼いた岩魚を熱燗にした三笑楽に入れて回し飲みする「岩魚の骨酒」である。
土地の食文化に深く根ざした地酒。五箇山を訪れた際は、ぜひ山宿に泊まり、“笑って楽しく”三笑楽を呑んで、深い里山の魅力に触れてみたい。